ここ最近有名メーカーの偽装問題が話題になっておりますが、実際偽装ってどこのメーカーでもしているものなんでしょうか?
色んな工場、メーカーで働いたぼくの経験から品質不祥事についてお話してみたいと思います。
偽装問題とは?
色々なメーカーで偽装問題が起こって商品の回収になったりしていますね。
実際偽装って何なんでしょうか?
製品には様々な基準があります。
様々な検査や試験をクリアして合格したもののみが製品として出荷されます。
そういった製品の中で基準に満たない、検査や試験に合格していない物が市場に出てしまうことがまれにあります。
これは結構あることなんです。わざとではなく、たまたまそういうことになってしまったことで、たいがいの場合不良品として返ってきます。その場合あまり大きな品質問題にはならないことが多いです。
しかしこの基準に満たないようなものをデータ改ざんして、わかっていて市場に流しているような事があり、そういった事例の場合偽装問題として大問題になります。
基準は厳しめに設けられている
この検査や試験の合格ライン、基準は少し厳しめに設けられているんです。
例えば仮にある製品の基準で、安全に製品を使用できるラインが100として、危険なラインが70とします。
この場合メーカーは合格ラインを120位に設けます。
仮に110くらいで不合格のものが流出しても、普通に安全に使用できるということがほとんどです。
しかし安全だとしてもわかっていて不合格品を流出させていたことが問題なんです。
なぜ偽装するのか?
なんでメーカーは偽装するんでしょうか?
それはメーカーの企業体質によります。
どこの企業も生産性や作業効率と言うのは切っても切り離せない問題なんです。
営業と違って技術系の仕事は数字として成果を表すことが難しいんですよ。
なんで生産性、作業効率を上げて少ない時間、少ない人数でより多くの製品を生産できるようになりましたよというのがアピールするポイントになります。
しかしそんなに簡単な話ではないです。
人がやる作業ですからね。
物にもよりますが一生懸命考えて工夫しても微々たる成果しか上げられません。
そうなってくると試験や検査で不合格になるものを少なくすることで効率を上げるというような荒業に出だすということです。
現場のリーダーなんかは、まあ安全は安全だから大丈夫だろうと軽い気持ちで検査機の設定や試験の結果のデータ改ざんをします。
一応安全の範囲内なんで大きな事件や問題も起きずバレないので気を良くした現場はさらに基準を緩めようとします。
こうして偽装問題となってしまいます。
割とこういったことはどこのメーカーもしているかと思います。
全部ってわけではないですよ。
しかし体感では結構な割合でこういうことはされていると思います。
まとめ
昨今問題になっているメーカーの偽装問題についてです。
メーカーの工場での生産現場では製品の検査や試験が行われていますが、この基準はかなり厳しめに設定されています。
しかし工場の現場では生産性や作業効率を上げろとずっと上から言われ続けています。
色々工夫をしてもそんなに簡単に改善できるものではありませんのでこういった試験や検査の基準を緩めることで成果を出そうとします。
そういったことが積み重なり偽装問題へとつながっていくということになります。
難しい問題ですよね。
※筆者の個人的な感想です。全てが当てはまるというわけではありません。
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